ドライアイについて
日本のドライアイ患者数は現在2200万人とされています。水分が不足しやすい高齢者だけでなく、最近は20~30歳代という比較的若い世代のドライアイ患者様が増加傾向にあります。
ドライアイで目を覆っている涙が蒸発してしまい、目の表面が乾いてしまうと眼精疲労や不快感を生じさせますし、目の表面が傷付きやすくなるため眼科疾患リスクも上昇してしまいます。
ドライアイの症状
下記のような症状がある場合、ドライアイが疑われます。
- 目の乾き
- 目の痒み
- 目の痛み
- 目脂
- 目の疲労感
- 目が重く感じる
- 光がまぶしい
- 白目の充血
等々の症状がある場合、ドライアイが疑われます。
涙の質が変わってしまうと分泌量が十分でも乾きやすくなってドライアイになっている場合があり、涙が多いのにドライアイという場合もあります。
ドライアイの原因
コンタクトレンズの使用
長時間コンタクトレンズを使用していると、涙が目のすみずみにまで行きわたらなくなって乾燥しやすくなります。
パソコンやスマートフォンの長時間使用
人間は集中するとまばたきの回数が減ります。パソコンやスマートフォンの画面を見ていると、まばたきの回数は無意識にかなり少なくなって目が乾きます。まばたきは涙を目に補充して全体に行きわたらせるために不可欠な動作ですから、まばたきが減ると涙が不足してドライアイリスクが上昇します。
エアコンによる空気の乾燥
冷房や暖房の効いた部屋では、空気が乾燥しやすいためドライアイリスクが高くなります。また風が顔に当たる場所の場合、目の表面の水分が短時間に奪われて乾燥が急激に進みます。
ストレス
涙の分泌量は自律神経の影響を受けて増減します。ストレスで自律神経のバランスが乱れると目が乾燥しやすくなります。また睡眠不足や疲労も目の乾きに影響を与えます。
加齢
涙は涙腺によって分泌されますが、加齢によってこの機能が低下すると分泌する涙の量が減る、あるいは涙の質が変わって目が乾きやすくなります。
レーシック手術
レーシック手術では、角膜神経を切断するため、術後ドライアイになることがあります。
ドライアイの予防
目を休ませる
パソコンによるデスクワークをしている場合には、1時間に1回、目を閉じて目を休ませてください。まぶたの上から優しくソフトにマッサージをしたり、蒸しタオルで温めるなどしてケアしましょう。
画面に近づきすぎない
パソコン画面は40cm以上の距離を空けて見るようにします。目線よりやや下の位置に画面が来るようにすると余計な負担がかかりません。スマートフォンもあまり近くで見ないようにしましょう。
まばたきを増やす
パソコンやスマートフォンを使う際には特に、意識的にまばたきの回数を増やしてください。まばたきの回数が増えると涙の分泌量自体も増えますし、目の表面にまんべんなく涙が行きわたって部分的な乾燥も防げます。
湿度の調整
エアコンで室温がコントロールされている部屋は極度に乾燥しています。加湿器を使って保湿を心がけてください。また、風が直接顔に当たると急激に乾燥が進むため、風除けを設置するなどで風が直接顔に当たらないようにしてください。
ドライアイの治療
基本的に状態に合わせた目薬の処方を行い、目薬で改善がされない場合は涙点プラグなどの治療方法もあります。
点眼
ヒアルロン酸を含んだ点眼薬、人工涙液など、目の水分を補給し乾燥を起こりにくくする、涙の質を改善するといった適切な目薬を処方しています。なお、市販の目薬には防腐剤が含まれているものが多いので、頻回の点眼で目を傷付けやすくする可能性もあります。目薬を頻繁に使う場合には必ず眼科を受診するようにしてください。
涙点プラグ
涙点は余分な涙を体外に排出させるための排出口です。涙点プラグはこの涙点という排出口にシリコン製のプラグ(栓)を挿入してふさぎ、涙の量を保てるようにするものです。涙には人口涙液では補うことの難しいビタミンやタンパク質などの目にとって不可欠な栄養が含まれているため、ご自分の涙で目をうるおすことはとても有効なドライアイの治療法です。
IPL治療
点眼や涙点プラグで効果が見られない場合に検討される新しい治療法です。IPL治療は特殊な光を当てることで、マイボーム腺の機能を改善する治療法です。
新しいドライアイの治療法IPL(Intense Pulse Light)
当院では、侵襲が少なく効果が高いことから、海外の学会でも画期的な治療法として注目を集めているドライアイの新しいIPL(Intense Pulse Light)治療を行っています。
この治療は、「ルミナスM22 IPLシステム」を用いて行うもので、マイボーム腺機能不全を改善することができます。マイボーム腺は涙に油分を付与して蒸発しにくくする重要な役割を担っており、ドライアイはこのマイボーム腺の詰まりによって起こっている場合が案外多いのです。IPL治療ではマイボーム腺の詰まりを解消できるため、十分な油分が分泌されて涙の余計な蒸発を防ぎ、目のうるおいを保てるようになります。
IPL治療の流れ
1検査・診察
まずIPL治療の適応があるかどうか、事前に検査・診察をおこないます。
2カウンセリング
IPL治療の適応と判断された場合、具体的な治療の流れや注意事項について詳しく説明した上で同意いただき施術をおこないます。
ご注意
治療直前にメイクや基礎化粧品をすべて落として頂きます。
眼周囲に毛が生えていると毛に反応して痛みを感じやすくなるため、施術前に一部の剃毛もしくは脱毛をお勧めする場合があります。
3施術
IPLを当てる場所にホクロがあるときはパッチシールを貼ってカバーします。
眼球を保護するために専用のアイマスクを装着します。
下瞼の下部にジェルを塗ります。事前にお化粧は落としておいてください。
目の周りをIPLで照射します。
施術は10分程度で終了します。
施術後のご注意
- 治療後、短期間皮膚が赤みを帯びやすくなります。ほとんどの場合、2~3時間で元に戻ります。
- 皮膚の弱い方など、まれに浅達性熱傷によるはっきりした赤みやヒリヒリ感がしばらくでる場合があります。
- 治療後約2週間は紫外線に当たるときは照射部位に日焼け止めクリームを塗ることをお勧めします。
- 洗眼、入浴、化粧等、日常生活上の制限は特にありません。
IPLの治療費用
IPL治療は健康保険の対象外となります。
1回 | 19,800円(税込) |
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3回セット(前払い) | 53,460円(税込) |
お支払いは各種クレジットカードもご利用いただけます。
(※JCB、ダイナース、ディスカバーはご利用いただけません)
※自費診療のみクレジットカードがご利用可能です。