白内障手術後の通院スケジュール
白内障の手術後は、検査や経過観察のために定期的な通院が必要となります。標準的なスケジュールは以下の通りです。
手術当日~1週間後・2週間後
翌日、4日目、1週間そして2週間後にご来院いただきます。
1ヶ月後~6ヶ月後
1ヶ月に1回のペースでご来院いただきます。
白内障手術後の注意点
白内障の手術後に、まず注意しなければならないのが細菌などの病原体による感染です。
特に手術から1週間程度が経過するまでは完全に閉じきっていない手術の切開部分から病原体が入り込んで感染を引き起こしやすく、化膿して再手術が必要になったり、回復の難しい深刻な合併症を招いたりする可能性があります。そのため、手術から1週間程度は目をいじったり、目に水やホコリなどの異物が入るような行為は避けるよう注意しましょう。
また、手術後に処方される点眼薬はこうした感染を予防するためのものでもあります。調子がいいからと自己判断で点眼を控えてしまうようなことはせず、医師の指示や決められた用法用量をきちんと守りながら必ず点眼を続けましょう。
白内障手術の合併症
術式や医療機器の進歩に伴い飛躍的に安全性が増した白内障の手術においても、稀に以下のような合併症が発生する場合があります。それぞれの合併症にある症状が現れたら、できるだけ早く当院までご相談ください。
駆逐性出血
手術中または手術後に、血圧の上昇などをきっかけとして眼底(眼球内部の奥)を走る血管から急激かつ大量の出血が生じる合併症です。発症頻度は10000件に1件程度と極めて低いのですが、発症すると適切な処置をもってしても視力が戻らない可能性があります。
眼内炎
手術の切開部分などから細菌が感染し、炎症を引き起こす合併症です。手術から1週間程度の間に発症することが多く、目の激しい痛みやひどい充血などを伴います。発症頻度は2000件に1件程度と低いのですが、放置すると1~2日程度で失明に至ることもあります。
黄斑浮腫
眼底を覆う網膜の中心部として視力を司る黄斑に浮腫(むくみ)が発生する合併症です。手術後の比較的早い段階で発症することが多く、手術によって回復した視力が再び低下してしまいます。点眼薬を中心とする治療によって、多くは数ヶ月程度で回復します。
水疱性角膜症
手術後、角膜から水分を排出している角膜内皮細胞の数が減少し、角膜内部に水分がたまって浮腫が発生する合併症です。浮腫によって生じた角膜の混濁が視力を低下させ、角膜の表面を覆う角膜上皮が剥がれて激しい痛みをもたらします。こうした症状が重い場合、治療には角膜移植が必要になります。
後発白内障
白内障の手術で眼内レンズの土台として残した水晶体嚢(水晶体を包む袋状の組織)の一部が混濁して、白内障によく似た症状が現れる合併症です。手術から数ヶ月~数年の経過後に発症しやすいとされています。レーザー治療によって解消可能です。